今日は嫉妬についての僕なりの考察をシェアしてみたいと思います。
僕は嫉妬には2種類あり、そしてそのどちらにも「距離」が関係していると考えています。
嫉妬① 自分より相手が上位の場合
1種類目の嫉妬というのは「うらやましい」という感情からくる嫉妬です。これが一般的に嫉妬と呼ばれているものにあたります。自分より相手の立場が優位にある時に生まれる感情です。
例えばネット上における誹謗中傷の類がこれにあたります。社会的に成功を収めた人を妬み、攻撃する行為、その裏側には「相手を非難し自分の場所まで引きずりおろすことで、自分の自己重要感を満たしたい」という思いがあります。
「悔しい」「ムカつく」などの感情もここには含まれますが、それよりも「うらやましい」という感情のほうが強い時にこの嫉妬①を感じます。
嫉妬② 相手より自分が上位(もしくは同等)の場合
もう一つの嫉妬とは「悔しい」「ムカつく」という感情が「うらやましい」という感情よりも強いときに生まれる嫉妬です。
この時は相手よりも自分のほうが立場が上(もしくは同等)の時に生まれる嫉妬です。
例えば部活のレギュラーを決めるときに、明らかに自分よりも下手くそな人がレギュラーに選ばれ、自分は選ばれなかった時などにこの嫉妬を感じます。
本来嫉妬とは自分より上位にいる人間に対して感じるものだと定義づけられています。
しかし、このケースだと自分のほうが他人よりも実力は上なので、上下関係が逆転しているのに嫉妬の感情が生まれています。
もちろん「うらやましい」と感じていることは間違いありませんが、ネットで社会的成功者を誹謗中傷している人たちが感じている「うらやましい」とは状況が違います。
自分よりも明らかにモテなさそうな友人が異性からちやほやされている時に感じる嫉妬もこの嫉妬②にあたります。
嫉妬には2つの距離が関係している
冒頭で嫉妬には距離が関係しているとお伝えしました。
そしてその距離はさらに2つに細分化することができます。
①物理的距離
この距離は、正に僕たちが日常的に使っている一般的な概念の距離です。
例えばあなたが歌手を目指していて、近所の知り合いが歌手になったら嫉妬を感じますよね。
でも、もしアメリカで同じような年齢の人が歌手になったと知ったとしても、嫉妬をすることはないと思います。
近所の人が宝くじがあたったらうらやましいけど、遠く離れた見ず知らずの人が宝くじに当たっても、大してなんとも思わない人がほとんどだと思います。
②心理的距離
この距離は物理的距離は関係ありません。
上記の例と同じようにあなたが歌手を目指していたとします。
あなたはオーディションを受け残念ながら落選します。しかし後日オーディションに合格した人が歌っている動画をネット上で発見。
どうみても自分の方がルックスがいいし、歌もうまい。「なぜ自分ではなくてこの人なのか」という感情が湧きあがります。
これが心理的距離から生まれる嫉妬です。
合格した人と会ったことがある(=物理的距離が近い)かどうかは関係ありません。
例え見ず知らずの赤の他人であったとしても、「その人を自分と同じような立場の人間と思い込んでいる」場合、2人の心理的距離は近くなります。
このケースでいうならば、例えば合格者が10年に一度の逸材と呼ばれるような人物で、誰がどう見ても圧倒的に自分より優れている場合は心理的距離が遠くなりますので、この嫉妬を感じません。
嫉妬の本質と距離の関係
嫉妬の本質は「自分もその人みたいになりたい」、「自分もその人みたいになれるはずなのに(なんであいつが)」という思いが根底にあります。
「その人みたいになりたい」と心の底から思っていない(妬んでいない)場合は、嫉妬ではなくただ「羨ましい」だけです。
例えば近所の人が「海外旅行にハワイに行きます」と話しをしてきました。
この時は嫉妬は感じていません。ただ「いいなあ」ぐらいにしか思っていないからです。
しかし、同じ会社の同僚が「海外旅行でハワイに行く」とあなたに話をしてきたらどうでしょうか?
「自分と同じぐらいの給料しかもらってないのに贅沢しやがって。こっちは忙しくて仕事を休む暇もないのに、自分だけハワイを満喫するつもりか?」
とでも思っていたら、それは羨ましいを通り越して妬んでいると言えると思います。「自分もその人のようになりたい(なれるはずなのに)」という思いがあるからです。
つまり相手を妬む気持ちがあれば「嫉妬」で、そうでない場合は「羨ましいだけ」ということが言えると思います。
嫉妬に関係する距離に関しては先ほど解説しましたが、この距離があまりにも離れすぎた場合どうなるのか考えてみたいと思います。
例えばあなたがプロ野球選手を目指していたとします。
しかし残念ながらプロになることはできず、別の道を進むことになりました。
もし自分と年齢や実力が同じぐらいの人がプロ野球選手として活躍していたのを見たら、もしかしたらその人に嫉妬するかもしれませんね。
しかし、例えばイチロー選手や松井選手のように自分と圧倒的に実力に差があるような人の場合、感じる感情は「嫉妬」というよりは「憧れ」に近いと思います。
歌手を目指していたとしても大御所歌手に憧れることはあっても嫉妬することはないのではないかと思います。
嫉妬を感じるときの対処法
まず大前提として嫉妬の感情は持って当たり前なので、嫉妬してしまったことに対して自分を卑下したり、罪悪感を感じる必要はありません。
ただ、その取扱いには注意が必要です。
そのエネルギーを「他人を攻撃する」ために使っている人がたくさんいます。
他者を攻撃してしまった時点で負けを認めたのと同じことです。幸せな成功者で他人を誹謗中傷する人はいませんよね。「実力で勝てないから誹謗中傷するしかできない」といっているようなものです。
他人を批判している人は大抵うまくいっていない人ばかりです。
例えあなたの批判が的を射ていたとしても、そういう言動をとる人はえてして社会的にも信用が低いものです。
だから他者を攻撃したい気持ちがでてきたら、それはいったん抑えてください。
僕個人は嫉妬の感情が出てきそうになったら、自分のセルフイメージを圧倒的に高くするようにしています。
例えば歌手のケースでいうならば、無理やりでもいいから大御所歌手になりきり、自分のセルフイメージをそこまで高くします。
もし自分が大御所歌手だったとしたら、デビューしたての若手の歌手を妬んだりしませんよね。
自分のほうが圧倒的に上なのだから、うらやましいとは1ミリも思いません。
だから自分が他者を妬みそうになった時は、その分野で圧倒的に活躍している人になりきる(思い込む)ようにしています。
それでもうまくいかない方は嫉妬の感情をブラックエンジンとして使ってみてください。
ブラックエンジンとは「ネガティブな感情のパワーを使って行動すること」です。
誰かを見返すために行動することもブラックエンジンの力によるものです。
ただブラックエンジンは黒煙を上げながら走る車のようなものなので、この状態で走り続けると車が故障するように、人間も精神を病んでしまったり、体調を崩してしまったりしてしまいますので、どこかでブラックエンジンから切り替える必要があります。
ただブラックエンジンはスタートダッシュの力がすさまじいので、嫉妬のようにネガティブな感情が湧きあがってきたら、逆にそのネガティブエネルギーの力を借りて行動することで、圧倒的な行動力を手に入れることができるようになります。
ですから誰かに嫉妬したら、「他者を攻撃したい」という感情をぐっとこらえ、自分の行動するためのエネルギーとして活用してください。
ひょっとしたらそのエネルギーのおかげで、嫉妬していたその人に追いつくことができるかもしれません。
今日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。