「人間は何のために生まれてきたのですか?」という質問に対して、
ほとんどの人は「幸せになるため」と答えるでしょう。
そのことに対して異論を唱える人はいないと思います。
したがって、自分が幸せになっても他人にとやかく言われる筋合いはありません。
にもかかわらず、僕たちはどこかで「(自分だけ)幸せになってはいけない」と感じてしまっています。
自分が幸せになることで他人から攻撃されるのではないか、という漠然とした恐怖を持っているのが原因かもしれません。
そして、その思い込みがブレーキとなり我々を幸せから遠ざけていきます。
富や幸せは有限ではない
なぜ多くの人が幸せになることに対してブレーキを感じるかと言うと、
富や幸せは有限なものであると思い込んでいるからです。
誰かが裕福になったり幸せになったりすることは、
別の誰かの富を奪い、誰かを不幸せにすることだと勘違いしています。
もしあなたが幸せになっている姿を見て、別の誰かが不幸せを感じるのであれば、
それはその人の問題であってあなたの責任ではありません。
彼らが幸せそうな人を見て不幸せに感じるのは、
「自分は幸せになれない」と心のどこかで感じているからです。
もし、その人が「自分も幸せになれる」と信じていたら、
すでに幸せな人をみて「自分もいつか」と前向きにとらえるはずです。
富や幸せは有限ではありません。
あなたが裕福になったり幸せになったとしても、
それは誰かの幸せを奪っているわけではありません。
集団意識
「自分だけ幸せになってはいけない」という思想の根底にあるものは、日本人特有の集団意識です。
日本人は良くも悪くも他者を気遣う文化があります。
この文化が裏目に出て、時に我々の幸福の足かせになることがあります。
仮にあなたが「富や幸せは有限ではなく、万人が幸せになれる」と理解していたとしても、「周囲の人間と足並みを揃えないといけない」という意識が強ければ、自分が幸せになることに対して抵抗を感じるはずです。
「周囲の人間が幸せそうではないのに、自分だけ幸せになるわけにはいかない」
他者と同調することは安心を生みます。
自分ひとりだけ孤立してしまうぐらいなら、他者に迎合するほうがましだと考える人も少なくありません。
行き過ぎた集団意識は依存心を生む
海外の国々は個人主義の国も多く、人々は基本的に自己責任で生きています。
電車の中で「傘などお忘れ物のないように」というアナウンスがあったり、
公共交通機関が数分遅れただけで謝罪があるのは世界の中で日本ぐらいです。
管理が非常に行き届いている反面、自分ひとりでは何もできない人たちが増えてしまいました。
海外で日本から来た観光客の人をお世話していたときは、特にそう思いました。
外国人が厳しい環境で生きる野生動物なら、日本人は飼いならされた動物園の動物です。
行き過ぎた集団意識は依存心を生みます。
依存心が強くなると、自分の不幸や不運を他人のせいにしてしまうようになります。
「自分がこんな目にあうのは、○○のせいだ」と。
自分の人生を自分でコントロールすることができず、完全に運命の被害者モードになってしまいます。
そうすると出来事にいちいち感情を揺さぶられることになります。
常に他人のせいにするということは、自分が悪いと思っていないということです。
自分が悪いと思っていないので、自分を改善しようとすることもありません。
自立心の強い人は自分で問題を解決できる人です。
そういう人は将来に対する不安も小さいです。
なぜなら、何か起こっても自分でなんとかできるからです。
多くの人が将来に不安を感じるのは、「どうすればいいかわからない」からです。
なぜ「どうすればいいかわからない」かというと、自分で判断する能力が身についていないからです。
常に他人に合わせて生きてきた人はこの傾向が強いです。
「周りに合わせなければいけない」という洗脳から目覚める
人間誰しもなにかしらの洗脳を受けています。
常識と呼ばれるものも洗脳の一つです。
常識だからといって、それが人生の真理であるとは限りません
だから常識に従っていれば幸せになれるというものでもありません。
あなたが「私は自分が幸せになれなくても、他人に同調する道を選びます」と言うのであれば、そのことに反対はしません。
ただ、そうでないのであれば一刻も早く「周りに合わせなければならない」という洗脳から目覚める必要があります。
冒頭でもお話ししたように、「幸せになるために生きる」ことは当たり前のことです。
だから、幸せになることに対してためらいを感じる必要はないということです。
他者を気遣うことは素晴らしいですが、だからと言って自分の幸福まで捧げる必要はありません。
幸せな人が増えれば、その幸せはどんどん波及していきます。
不機嫌な人が増えれば、その不機嫌は伝染していきます。
周りの人を幸せにするために、まずは自分が幸せになってください。
それが何よりの貢献になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。