人生がうまくいっている人や幸福感の高い人ほど、自分と向き合い自己対話をしているという傾向があります。
僕たちは物質世界を生きるのに精いっぱいなので、人生が変わるような大きな出来事がない限り、自分自身と向き合うということをしません。
というか、ほとんどの人は自分という存在が2人いるということを知りません。
この2人の存在は2つで一つです。
どちらかだけ大きくてもうまくいきません。
自分と向き合い、自己対話を定期的に行っている人の人生がうまくいっているのは、
この2人の存在のバランスが取れているからです。
外側の自分と内側の自分
本題に入る前にこの2人の自分について簡単に定義づけしておきます。
僕たちが「自分」と思っているのは、外側の世界の自分=顕在意識です。
僕たちは日々この顕在意識で思考し行動しています。
それに対し、内側の世界の自分とは潜在意識のことです。
潜在というぐらいですから、表に出てくることはありません。
しかし、潜在意識は自分の心の奥深くに存在していることに違いはないので、
ふとした時に感情という形で顔を出すことがあります。
例えば、子供のころに高いところから落ちてけがをした経験がある場合、
大人になってからも高いところに行くと恐怖を感じることがあります。
大人なので、(顕在意識で)冷静に思考すれば転落の危険性はないことはわかっているにも関わらず恐怖を感じるのは、自分の心の奥底(潜在意識)に子供のころのトラウマが残っているからです。
頭が覚えていなくても、体が覚えているということです。
潜在意識の声を聴く
僕たちは普段外側の自分だけで考え、行動しています。
内なる自分の声を聴くことはありません。
それどころか、内側の自分に対して否定的な言葉をかけている場合がほとんどです。
失敗したり誰かに否定されたりすると、
人間は自分自身を責め、自己否定をするようになります。
その自己否定の矛先は内なる自分=潜在意識です。
そして、その自己否定は潜在意識の中に蓄積されていきます。
僕たちは自分の人生は外側の自分(顕在意識)でコントロールしていると思い込んでいますが、本当の意味で僕たちをコントロールしているのは内なる自分(潜在意識)です。
例えば、あなたが大きな夢に向かって努力しているとします。
その夢が大きければ大きいほど、「自分には無理だ」という心の声が聞こえるはずです。
そして、その心の声がブレーキとなり、結局夢を諦めてしまいます。
つまり、「夢に向かって努力するぞ」と意気込んでいる外側の自分(顕在意識)の意図する通りの人生ではなく、「そんなの無理だ」という内なる自分(潜在意識)の意図したとおりの人生になっているということです。
以上のことからもわかるように、自分の人生を本当の意味でコントロールしているのは、内なる自分(潜在意識)です。
不仲な2人の自分
自己嫌悪という言葉があるように、2人の自分はお互いに嫌いあっています。
外側の自分は「お前はダメな奴だ」、「自分の○○が嫌い」と内なる自分に否定の言葉をかけ続けます。
内なる自分は普段語り掛けてくることはありませんが、
いざというときに姿を現します。
さきほどの夢の例などがそうです。
普段否定的な言葉をかけ続けられることによって、内なる自分は外側の自分、つまりあなたのことを嫌うようになります。
だから、夢に向かって努力している重要な局面でその姿を現し 、
「お前には(夢の実現は)無理だ」とブレーキになるような心の声を届けます。
自分が夢に向かって努力していたら応援するのが普通です。
でも、夢の実現を阻害するような心の声が聞こえるのは、
今までさんざん否定的な言葉をかけつづけられた内なる自分が、
あなたのことを嫌いになってしまったからです。
2人の自分は車の両輪のようなもの
2人の自分とは車の両輪のようなものです。
どちらかだけが大きくてもまっすぐ進むことはできません。
両方のタイヤのバランスがとれていて初めて前に進むことができます。
自分自身と向き合ったり、自己対話をしない人というのは、
外側の自分というタイヤだけが以上に大きくなっている状態です。
内側の自分のタイヤはものすごく小さくなっているか、
もしくはパンクしてしまっています。
片方のタイヤだけが大きい状態でアクセルを吹かすと、
車はぐるぐる回転しますよね。
冒頭で「人生がうまくいっている人や幸福感の高い人は、自分と向き合ったり自己対話をきちんとしている」理由はここにあります。
彼らは自分の心の声をしっかりと聴いて、その気持ちを大切にしています。
心の声が「やりたくない」と言っているのに、
我慢してやっていることはありませんか?
心の声が「やりたい」と言っているのに 、
我慢していることはありませんか?
やりたくないことをやらされて、やりたいことを我慢させられていたら、
そりゃ嫌われても仕方ありません。
自分のダメなところも否定せず認めてくれる人に、人間は心を開きます。
だから、自分自身のダメな部分も否定せず受け入れるようにすれば、
内なる自分は、外側の自分のことを信頼してくれるようになります。
2人の自分が1つになったとき、
僕たちは大きな力を発揮することができるようになります。
夢に向かって努力しているとき、心の声が「お前ならできる」と言ってくれるようになります。
それが両輪のバランスが取れている状態です。
両輪のバランスが取れているからまっすぐ進めるんです。
もしあなたの人生がうまくいっていないのなら、
外側の自分だけで生きていないか観察してみてください。
そして、自分の心の声に耳を傾けるようにしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。