人間は体の大部分が水でできています。
そのため、非常に水に似た性質を持った特徴があります。
例えば、「水と人間は低きに流れる」ということがよく言われます。
人間はもともと怠惰な生き物なので、自制ができないとどんどん楽な環境に流されてしまいます。
それがダメだというわけではありませんが、一般的にそういう生き方をしているとどこかで苦しくなってしまうタイミングが必ず訪れます。
水と人間は止まると腐る
川の水は流れているので腐ることはありません。それに対しコップにいれた水は放っておくと腐ります。それは流れがないからです。
人間も同じです。つねに変化・進化している人というのは成長しつづけますが、変化・進化が止まった瞬間に現状維持と言う名の退化が始まります。
大きな成功を収めることだけが人生の幸せではないので、必ずしも進化・成長することだけが正解ではありません。
1日中何もせず堕落した生活を毎日送っていると、魂が腐るそうです。
さすがにそういった状態に陥ってしまう人は少数ですが、毎日変化のない生活ばかりだと「何のために生きているのだろう」と自問したくなる瞬間が出てくるはずです。
そしてそのまま放っておくと、人生が停滞し暗闇の中を進むことになります。
ひょっとしたら、そういう状態を人間が腐ると表現するのかもしれません。
変化を嫌う理由
人間は変化を嫌う生き物です。ホメオスタシス(恒常性維持機能)という機能が備わっており、僕たちは無意識のうちに現状維持をする習性があります。
変化を嫌う理由は「変化することで生まれる恐怖がある」からです。
変化をするということは、自分が心地よいと思っている今の環境を失うということでもあります。
そして、新しいことに挑戦し失敗すれば深く傷つくことになってしまいます。
人間は痛みを避ける習性があるので、このような恐怖の原因となる変化を嫌います。
しかし、多くの人々は変化のない生活にうんざりし、でも変化することのできない自分に苛立ちを感じて自己嫌悪するというジレンマを繰り返しています。
人間は本能的に刺激が好きな生き物
人生に関しては過剰なまでに恐怖を感じて行動できなくなるのが人間ですが、一方で本能的に恐怖から生まれる刺激を好む習性があります。
例えばおばけやしきやジェットコースターなどがそうです。
わざわざお金を払ってまで怖い思いをしにいくというのは、そういう刺激が好きだからです。
変化することによる恐怖というのは、大抵の場合命を落とす危険性はありません。
にも関わらず一歩を踏み出せない人が非常に多いです。
一方でジェットコースターやスカイダイビングなどは、一歩間違うと死と隣り合わせの状態です。しかし、わざわざお金を払ってまでそういう体験をしに行きます。
命の危険がない「人生の変化」に対しては行動できないのに、命の危険がある「体験」には自ら向かっていくという行動には矛盾を感じざるを得ません。
海外旅行の本質
海外旅行の本質とは「非日常を味わうこと」です。
なぜ言葉も通じなくて食事も合わない、しかも不便で場合によっては犯罪に巻き込まれる可能性のある国にわざわざ行くのでしょうか?
それは非日常、つまり変化を味わいたいからです。
人間には「慣れる」という能力があるので、定期的に変化を人生の中に組み込まないと、人生に飽きてきます。
それを手っ取り早く味わえるのが「旅行」です。
行ったことない場所で、普段では味わうことのできない体験をすることにこそ、旅行の本当の価値があります。
そうでなければ、なぜわざわざ不便な環境を自ら味わいに行くのでしょうか?
変化とは刺激的で楽しいもの
以上のことからもわかるように、変化と言う刺激は時に人間を高揚させます。
恐怖も適度にあることによって、緊張感が生まれハリのある人生になります。
もし人生の中から変化や恐怖が一切なかったら、きっと退屈な人生になると思います。
僕たちが行動できない理由は、「他人から批判(攻撃)される」といった恐怖が原因であることが多いです。
でも、批判されたところで別に命を落とすわけではありません。
他人に嫌われるのを恐れて行動しないでいると、今度は自分に嫌われます。
自分とは一生付き合っていく存在だから、そっちのほうがよっぽど深刻な問題だと思います。
新しい世界へ踏み出す
せっかく一度きりの人生だから、どんどん新しい世界に踏み込んでいくのがいいと思います。
もちろん、やりたくもないことを無理にやる必要はありません。
挑戦してみたいけど、怖くてできなかったことに一歩踏み出してみるのがいいと思います。
その一歩があなたの人生を大きく変えるかもしれません。
別に失敗して他人にバカにされても、自分がそれを受け入れなければいいんです。
他人の失敗を馬鹿にする側の人間になりたいのか、失敗して馬鹿にされる側の人間になりたいのか、よく考えて好きな方を選べばいいと思います。
人生の食わず嫌いをなくす
僕は非常に狭い世界の中で生きている人に何人か会ったことがあります。
狭い行動範囲、変化のない行動パターン、閉鎖的な人間関係。
本人が幸せなので、それはそれでいいと思うし僕がとやかくいうことではありませんが、せっかくの人生なのに非常にもったいないなと思いました。
「もっと外の世界を見ればいいのになあ」と。
木を見て森を見ない人は「人生の食わず嫌い」になりがちです。
要するに「偏見」や「決めつけ」が強い人たちです。
例えば「海外=危険」という決めつけもその一つです。
自分が実際に危ない思いをして、そのように感じるのであれば別にかまいませんが、周囲の人間やマスコミの情報を鵜呑みにして、それがあたかも真実であるかのように決めつけてしまっています。
その情報によって自分の人生の行動範囲を制限されてしまうのは、非常にもったいない気がします。
新しい人間関係を作ることも最初はストレスに感じます。
でも同じ人間関係をずっと継続している限り、人生に変化というのは生まれにくいものです。
もしもっと高いところに行きたいのであれば、人間関係の範囲を拡大する必要があります。
日常に小さな変化を少しずつ増やす
とはいえ、今までの生活をがらりと変えてしまうのは負担が大きすぎると思います。
一番いいのは日常生活に小さな変化を増やしていくことです。
- いつも注文する昼食のメニューを変える
- 通勤ルートを変える
- いきつけの店を変える
など、ちいさな変化はいくらでも作ることができます。
水と人間は止まると腐ります。
そうならないためには、適度の変化(=動き続けること)を人生の中に取り込むことが大切になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。