ブラック企業というフレーズが使われるようになって久しいですが、
ネットを見ていると、日本ではまだまだブラック企業で働き、
大変な思いをしている人がたくさんいるようです。
朝早くから夜遅くまで激務をこなし、
上司や取引先との人間関係に疲弊し、
それでもなお、お金のために会社を辞めることができない状況。
一時は社会問題にまで発展したブラック企業ですが、
これからの時代、徐々にその数は減っていき、
やがて完全に消滅する日がやってくるでしょう。
そもそもブラック企業とは?
ブラック企業の定義はあいまいで、人によってその解釈が違います。
- 勤務時間が長い
- 上司がパワハラ
- ノルマがきつい
これらはブラック企業の定義としてよく採用される要素です。
ただ、この定義が成り立つのためには、
ある前提条件が必ず付随します。
それは「やりたくない仕事をやっている」ということです。
子供がゲームをする感覚と同じように、
仕事が楽しくてたまらないという人は、
どれだけハードな環境にいたとしても、
そこまで追い込まれることはないでしょう。
もちろん、多少のストレスは感じるでしょうが、
仕事が楽しくてたまらないのだから、
そんなことは大して問題になりません。
ちょっと変な話をしますが、
実はブラック企業と言うもの自体、
そもそも存在しません。
これは認知科学の話になるのですが、
ある特定の事象に名称をつけてラベリングをすることで、
初めてその事象を一つの概念として認知できるようになります。
今から40-50年前には今よりももっと厳しくて、
もっと理不尽な会社もいっぱいあったはずです。
でも、当時はブラック企業というものは存在しませんでした。
それをあるとき、「ブラック企業」という名称をつけてラベリングしたことにより、
人々は「ブラック企業」という概念を認知するようになっただけの話です。
人間だって、同じ共通点を持った集まりをグループ化し、
男や女という名称をつけたから、
男と女という概念が認知されるようになったのです。
言葉で定義づけしなければ、
そういう概念自体存在しないことになります。
だから、ブラック企業も僕たちがそういうものがあると
思い込んでいるだけです。
僕たちは自分の思った通りの世界を生きます。
同じ光景を見ていても、見える景色は人によって違うんです。
だから、自分が働いている会社がブラック企業だと思えばブラック企業になるし、
何も思わなければブラック企業にはならないということです。
ブラック企業が消える理由
日本はいまだに「仕事=苦労」という美学が根付いているように思います。
その考え方が、ブラック企業の増殖を
ますます助長させてしまったのではないかと考えられます。
ただ、ブラック企業は近い将来この世界から消滅していくと、
僕自身は思っています。
なぜなら、生産性が極めて低いからです。
ある研究機関のデータによると、
好きなことをしている人と嫌々やっている人では、
生産性が約780%も違うそうです。
(ブラック企業の社員が嫌々働いている理由は前述のとおりです)
さらにGoogleの研究結果では、
人間がもっともパフォーマンスを発揮できるのは、
安心・安全な環境だそうです。
安心・安全な環境とは、
「責められない・怒られない・批判されない」環境のことです。
さらに言うなら、毎日休みなくハードワークをすることで、
パフォーマンスはどんどん低下していきます。
つまり、とにかく人間の生産性を下げる要素しかもっていないということです。
もし、ライバル企業の従業員が、
仕事にやりがいを感じ、
安心安全な環境で、
適度に休息をとっていたとしたら、
彼らの10倍以上働かないと同じ業績がでないことになります。
まともに戦って勝てるわけがありませんよね。
だから、遅かれ早かれそういう企業は淘汰されていくと思います。
日本ではパワハラなんて言葉が流行っていますが、
実はパワハラをすることによって、
どんどん従業員の生産性を低下させ、
会社の業績を悪化させていることになります。
だから、パワハラ上司は会社にとっても害なんです。
大切にする順番が逆
僕たちは往々にして自分よりも他者、
近くの人よりも遠くの人を大切にする傾向があります。
常識的にはその考え方が正しいとされていますが、
人生の真理はその真逆です。
自分を大切にせず、他人のことばかり大切にしていたら、
人生はどんどん苦しくなっていきます。
身近な人を大事に扱わず、
遠くの人にだけいい恰好をしていても、
本当の幸せをつかむことはできません。
仕事で大成功して大金持ちになっても、
家庭環境がボロボロだったら幸せとはいえませんよね?
会社も同じだと思います。
お客様を大切に扱いたいのなら、
まずは従業員を大切に扱うべきです。
どんなに口で「お客様第一」と言ったとしても、
従業員の心が疲弊していては、
お客様を大切にすることはできません。
自分が幸せを感じていると、
人にも親切になることができます。
だから、そういう形だけのスローガンを唱えさせるのではなく、
彼らが自分の仕事に満足感を感じれるような環境を作るだけでいいんです。
競合他社と戦わなければならないのに、
内戦状態で勝てるわけがありません。
上手くいっている会社と
そうでない会社の違いは、
「従業員を大切にしているかどうか」
ということが大きく関係しているそうです。
お金を貰っているという感覚を捨てる
雇われの立場だと、どうしても
「会社からお金を貰っている」
という感覚に陥ってしまいます。
でも、実際はお金を貰っているわけではなく、
価値のトレードをしているだけです。
自分の「労働力」と「時間」を提供する代わりに、
その対価としてお金を貰っているということです。
立場が対等とまでは言いませんが、
お互いに価値を交換しているだけなので、
そこまで絶対的な主従関係はありません。
だから、トレード条件に納得がいかないのであれば、
自分の持っている価値を提供しなくてもいいわけです。
「そんなことしたらお金はどうすんの?」
と思うかもしれません。
多くの人は、お金というものに絶対的な価値を置いていますが、
価値を受け取るのにお金が必ずしも必要になるわけではありません。
野菜が欲しければ畑仕事を手伝えばもらえるかもしれません。
電車に乗りたければ駅構内をきれいに掃除すれば乗せてもらえるかもしれません。
そのことを理解しておかないと、
いつまでたってもお金に支配された人生を生きることになります。
それだけ悪条件だったら会社を辞めればいいだけです。
でも、それができないのは
お金という絶対的な価値を失うことを恐れているからですよね。
人は何のためにお金を稼ぐのか?
「幸せになるため」という答えに異論を唱える人は、
おそらくいないと思います。
ならば、お金のために幸せを放棄するのであれば、
そもそも本末転倒です。
人生はすべて自分で選択できます。
もし今あなたがブラック企業で苦しんでいるなら、
その状況も自分自身の選択がもたらした結果です。
その会社で働かないという選択もできたわけですから。
一生懸命働くことは素晴らしいです。
でも、自分を大切にすることはその何倍も重要です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。