人間には2人の自分がいます。
一人目の自分はコントロールできる自分、普段僕たちが自分と呼んでいるのはこちらのタイプです。外側にいる自分のことを指します。
思考・頭・顕在意識がこちらのタイプに属します。
そしてもう一人の自分は無意識の領域にいる自分。内側にいる自分のことを指します。
感情・心・潜在意識がこちらのタイプに属します。
自分のことが嫌い
「自分のことが嫌い」だと言う人は多いと思います。特に日本人は諸外国と比べてもその比率が高いように感じます。
この「自分が嫌い」という感情は多くの場合、他人との比較から生まれています。
他人と比べて勉強ができないとか、スポーツができないとか、見た目がよくないとか、そういう比較から生まれる自己嫌悪がほとんどです。
でもよく考えてほしいのですが、自分が自分に対して何か危害を加えてきたわけではないです。だから本来は嫌いになる理由はないはずです。
自分のことが嫌いと言っている限り、どんなにお金や人間関係に恵まれていても心の底から幸せを感じることができません。
そして他人との比較を続ける限り、いつまでもこの「自分が嫌い」という感情が消えることはありません。他人との比較は相対的なものであり、上には上がいるので。
自分のことを「嫌い」だと言っていると、もう一人の自分もあなたのことを嫌いになります。そうするといざというときに味方をしてくれなくなります。
自分に我慢ばかりさせている
僕たち日本人は我慢することこそ美徳だと教えられて育ってきました。
そして、自分を犠牲にしてでも他人に尽くすことこそ美しいというのが世間一般の常識になっています。
僕たちの心が満たされていないのも、たくさん自分に我慢をさせているからです。
欲しいものがあるのに、金額が高いから買わずに我慢する。
これは自分よりもお金のほうが大切であるということを意味しています。
行きたくもないのに、友達に誘われたから仕方なく付き合う。
これは自分よりも友達を優先しているということです。
特にこういった人間関係の場合、「他人から嫌われたくない」という恐れが根底にあります。
「他人から嫌われたくない」と恐れているわりには、自分のことを嫌いと言っている矛盾がそこにはあります。
しかし、鏡の法則にもあるように自分自身に対しての扱いが、他人のあなたに対する扱いになります。
つまり自分を大切にしないのなら、他人もあなたのことを大切に扱ってくれないということです。
他人というのはいつかいなくなります。でも自分は人生の終わりが来るまでずっと一緒にいる存在です。
だから本来自分というのは一番大切にすべき存在なのです。
自分に我慢ばかり強制してくる人は好きになれませんよね。だから自分の心に従って生きることが、自分を大切にするための第一歩だと思います。
自分を愛することへの誤解
「自分のことが好き」と言うとナルシストだとか否定的なことを言われるのが、一般的です。
そして、他人よりも自分を優先すると自己中だと批判されることもあります。
世の中の常識では他者よりも自分を優先することが悪であるかのように思われています。
そしてそれこそが我々の心をどんどん貧しいものにしていきます。
最近では「自分をもっと大切にしよう」という流れが世の中に出てきました。
僕がそのように思うようになったのもつい最近です。
他人を大切に扱わなければならないのであれば、まずは自分自身の心のコップを満たしてあげることが先です。
この順序が逆になっているから、世の中の多くの人は自分のことが嫌いになって、心が満たされない状態になってしまっています。
自分がうれしいとき、機嫌のいいときというのは他人に対しても優しくできますよね。
同じように自分が満たされていない時、イライラしている時などはどうしても他人に対して厳しくなってしまったりします。
だから自分を大切にすることこそが、結果として他人を大切にすることにつながります。これも鏡の法則ですね。
自分のことがわからない
実は自分のことを真の意味で理解している人というのは少ないです。
例えば願望を聞いた時などにそのことがよくわかります。
ブランドものの服がほしいとか、豪華な家に住みたいなどの希望を持っている人がほとんどですが、実はそれは他人(世間一般)の夢だったりします。
本当は心の平安がほしいだけかもしれないのに、周りが言っているからブランドものや豪華な家が自分の夢だと思い込んでいるだけかもしれません。
冒頭でもお伝えしたように、我々には2人の自分がいます。
思考している自分と感じている自分。
思考している自分というのは損得勘定で物事を判断することがほとんどです。
周りからどう見られるかが行動基準になっている場合、それは「思考」をベースに行動していることになります。
一方で感情で物事を判断しているときというのは、損得勘定がありません。
「やりたいかやりたくないか」、それだけです。
多くの場合、人々は感情を抑制し思考の判断を優先しています。
そしていつのまにか自分のことがわからなくなってしまいます。
それは表面的な自分としか向き合ってこなかったからです。
自分のことを理解するためには
自分のことを理解するためには、自分の心(感情)と向き合う必要があります。
喜怒哀楽の感情が動いた時、そこに本当の自分が出てきます。
自分がどんなものに歓喜し、どんなことに怒りを感じるのか、それを意識するだけで本当の自分が見えてきます。
外側の世界というのは自分を映す鏡です。自分のあり方が外側に反映されていますから、外側の世界に対する自分の反応を見れば、自分自身のこともわかります。
僕たちも自分の姿を見ようと思ったら、鏡がないと見ることはできませんよね(それでも左右が逆なので本当の姿ではありませんが)。
だから自分のことをもっと知りたいのであれば、自分の感情の動きをよく観察するといいです。
多くの場合、ネガティブな感情が出てきたときは、その感情から逃れようとします。
怒りを感じるときや悲しみにくれているとき、その感情を消そうとしますが、どっぷりとその感情に浸ってみるのもいいと思います。
そうすると、あるときふと何故自分は怒っているのだ(悲しんでいるのだ)?と思う瞬間があります。
そうやって内面の自分を自己分析していくと、本当の自分が見えてきます。
ポジティブな感情も同じです。自分が喜びや幸せを感じるものが、あなたが本当に求めているものです。
それがわかると他人の夢に生きることがなくなります。
自分を愛せなくなるようなことするなよ
こちらのスーパーに行くと、パッケージを破壊して中身が空っぽになった食品をよく見かけます。
いわゆる万引きというやつです。
ひどいものになると、空のボトルが置いてあったりします。つまり、その場で商品を飲んでゴミを捨てたということです。
そんなことをしたら自分を愛せなくなります。
そして、「自分はそういうことをする人間だ」というセルフイメージができてしまいます。
詐欺を働いたり、誹謗中傷をしたり、短期的にはそれで満たされるのかもしれませんが、長い目で人生を見た時にそれは大きな痛みになることがほとんどです。
そういう行為が当たり前になると、もう自分のことを好きになることはできないと思います。
潜在意識というのはピュアなので善にも悪にも染まりやすいのです。
一度悪に染まってしまった潜在意識を書き換えるのは相当苦労します。
「美しく生きましょう」ということを言っているのではありません。
それでは自分が苦しくなってしまいます。
そうではなく、自分のことを大切しましょうということを伝えたいのです。
今日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。